手痛い「キャスト(鋳造)ミス」とは?(**)
先日のPC修理の話がまるでどうでもいいくらい、ショッキングなことが先ほど起こりました(==)
ジュエリーでは、90%の製品の原型は、まずはやわらかいロウのような素材のワックスというもので製作します。
骸骨とかクロスとか、あれを銀を削って、、というのはとても大変です。
石の爪など細かいもの、、や構造的にワックスではきついものは昔ながらの、地金(金・銀・プラチナ)を溶かして叩いて、溶接して、、と作ることもあります。
さて、、なので、このワックスというもので製作した、たとえばリングなら、それを
キャスト(鋳造)屋に(外注)送り、銀などを流し込む鋳造作業を行い、そのままの形で希望の地金となって、かえってくるわけです。
2年ほど前に、一番信頼していて20年近い付き合いのキャスト屋が不景気の波に勝てずに廃業しました。 預けているゴム型など200点近くをよそに移動しなくてはならずあせったものです。 同時にもうひとつのキャスト屋もありましたが、そこはゴム型は保管預かり管理はしておらず、あらたなキャスト屋に移動させました。
そこはとにかく名前〔会社名)の通り、仕上がりが早いのです。よくも悪くも、、という感じがしました。 よそでは4~7日かけて行う作業を1日で行うので、急ぎのものなら大変助かりますが、そこにはミスが生じかねません。 噂には聞いていましたが、今のところ、うちでは大きな(あくまで僕が対応できる範囲だったので)ミスはなかったのですが、
今日、いつもの受付の子から電話があり、、仕上がったという電話ではないな、、とその声のトーンからわかりました、、が、、
なんとも、、ありえない、、20年近く数え切れないくらいのキャスト依頼してきて、、言葉を失うような出来事がありました。
クリスマスに(なるべくという急ぎの品物)間に合わせたかったリング・そしてこれもフルオーダーの大きなリング(とても手間隙かけて完成したもの)2点・グリムの力作の新作リング。。。この計4点のワックス~シルバーに鋳造を、、すべて失敗(この時点でワックスは溶けて跡形もなくなくなるわけですが)に終わった、、、、と(TT)
珍しく、、「え!!!」と大きな声を出してしまいました。
一瞬踏みとどまって、、、まあ、その子に起こっても仕方ないことですし、、
何より、
この業界では、鋳造作業のミスは文句を言えない、という暗黙のルール
がありまして、、
見えない部分でのこと、、銀が流れ込まなかった、、鋳造機内でおきたこと、、だから、、勿論弁償とかもありません(キャスト代金・地金代はとられませんが)。
そうですか、、、と肩を落とすほか、、ないのです。
言えることは、もうそこにはワックスのキャストは出せないな、、ということです。
とてもじゃないけど、4点すべて破壊してしまう技術力では安心して、手間隙かけてつくったワックス原型を出せません。
もうひとつの古い付き合いのところに出すことになります。
1~2日で吹き上がるという、、その焦りがそうさせるのか、、
なので本当に急ぎの品以外は、時間かけていいので、ミスのないように、、と念を押していましたが、加工する人間には行き届いていなかった、、のですね(==)
と、なんとも昼間から、薄暗い話になりました、、とさ。
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